2018-03-03
主人公が体験する冒険は、同時に、 作家としての僕自身が体験する冒険でもあります。
言い換えるなら、本を書き終えたあとの僕は、本を書きはじめたときの僕とは、別人になっている、ということです。
おもしろい...。
読者としても、物語を読み始めたときの自分と、読み終わったあとの自分は、別人になっているような気がする。
小説を読むことで、いろんな人の人生を経験することができる。
一人一人の生きかたは、自分とは違う。 自分とは違う場所で生活していたり、違うタイプの家族や友達がいたり、 自分とは違う仕事をしていたりする。(たまに同じだったりするが)
それでも、その登場人物が通過する気持ち(内面の感情)の部分で、自分との共通点を見いだすことができる。
「あ、この気持ち、知ってる...」
「自分のなかにも、あるものだ...」
そして、物語のなかで、一緒に旅をする。
走ることが村上さんに教えたことはなんでしょうか。
確実性ですね。
いったん走り始めたら、必ず最後まで走り通す。
コツコツと確実に進み続けることの大切さ。
たまに「今すぐ結果がほしい」という気持ちに負けてしまいそうなときがある。
それでも、こういう言葉を読みかえすと、 自分も、淡々と、自分の決めたゴールに向かっていきたいと思える。
誰が言ったのか忘れたけど、 「人は、物語ることと踊ることを忘れなければ、生きていける」 みたいな言葉を思い出した。
生きている以上、苦しみなど、 人生の闇の部分を避けて通ることはできない 。
でも、もしこの先、どんな暗闇のなかに迷い込んでも、 生活のなかに、かすかな光や、喜びを見つけられる自分でありたい。