言語がもつ世界観

2014-02-04

この前、映画「マイフェアレディ」を見た。
ヒギンズ先生が言っていた表現が印象に残った。

Let a woman in your life...

直訳すると、 「女性をあなたの人生の中に受け入れたら...」  

でも、日本で、そのような表現は、ほとんど聞かない。 ニュアンス的には「女性に、あなたの心をゆるしたら」が近い表現になるのかなって。

それでも、どんなにがんばって上の英語の表現を日本語に訳そうとしても、 英語と同じ雰囲気を出すことは難しいと感じた。

言語には、それぞれ独特の味わいがあって、 その言語を通してでしか感じることのできない世界観があるような気がする。  

以前パウロ・コエーリョの「アルケミスト」を読んでいたときに、 「Maktub」というアラブの言葉が出てきた。

英語にすると「It is written」日本語にすると「既にしるされたもの」「さだめられたこと」が近い表現。 でも、「Maktub」には、アラブ人として生まれた人にしか理解できない深い意味があると書いてあった。  

韓国語の「恨」(ハン)という言葉も、 単に憎しみという意味だけではなく、悲しみのニュアンスが含まれているのだと教わったことがある。 韓半島南北の分断で、家族が引き裂かれた悲しい歴史と深く関わりのある言葉だと。

ふと「日本特有の言葉は、なんだろう?」と考えてみた。 色々あると思うが、わたしは「和」という言葉が好き。 「平和」という言葉に「和」が使われるのも納得できる。 欧米の「自分という個人を大切にする」文化と、日本の「和の心」、両方とも大切にしていきたい。

この世には、自分の知らない世界が、限りなく広がっている。 それは世界中の絶景などのような、目に見えるものだったり、 国、民族、文化の背景にある世界観のような、目に見えないものだったりする。

新しい言語を学ぶことは、様々な側面で、私たちの世界を広げてくれる。


多言語学習の記録
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