6才のボクが、大人になるまで。

2016-03-26

はじめは、「6才のボクが、大人になるまで。」というタイトルと、 芝生にあお向けになっている少年が気になった。

作品解説「12年間、毎年1週間ほど集まって撮影された映画」を読んで 「これは、もう、観るしかない」って思った。6才の少年が18才(大人)になるまでを描いた作品。

12年間の変化が面白い

この映画の見どころは、なんと言っても、 同じ登場人物たち(同じ俳優)が12年間の月日を経て、変化して行く姿。

ハリーポッターの映画でも、ハリーやロンやハーマイオニーが成長していく姿が、 見ていて面白かったな〜って思い出した。

主人公(メイソン)が高校を卒業したとき、彼の母親が 「ついこの前まで子供だったのに、時が過ぎるのは速い。 今度は、気がついたら、自分の葬式だわ。本当に時が過ぎるのは速い」みたいなことを言っていた。

たしかに、小学校のときとか、時間が過ぎるのが遅くて、 特に授業とか「まだ1時間目」「まだ1時間目」「ああ、やっと2時間目」 「まだ2時間目」みたいな感じだった。「今」が「永遠」のように感じられた。

でも、20歳を越えたあたりから、毎年どんどん時間が過ぎるのが速くなっていった。 「え、もう1年が終わったの?」と、その速さに毎年おどろかされる。

 自分の人生に責任を持つ

You are responsible for you.

高校を卒業したメイソンに父親が言った言葉。

他の誰も自分の人生に責任を持ってはくれない。 他の人に依存しても、その人は自分の人生の責任を取ってくれるわけではない。

他の人の言動に、一喜一憂して、いちいち振り回される必要はない。 自分の人生のハンドルは、自分で握る。他の誰にも運転させてはいけない。

メイソン(主人公)は、高校卒業と同時に付き合っていた彼女と別れることになる。 そのことで落ち込むメイソンに、父親が、 「その事実に振り回されちゃいけない。 彼女に、自分の人生を暗くするような、そんな大きな力を与えてはいけない。 自分の責任は自分にあるんだから。」みたいなことを言う。

1つの事実や、誰かが言った言葉がある。 それは、過去のものとなるんだけど、 それに、いつまでも縛られて生きている人が (自分も含めて)たくさんいるんじゃないかと、ふと思った。

その事実や言われた言葉に、どれだけの影響力や力を持たせるのか、 それは自分が決めているんじゃないかな、って。 その事実や言葉が、どれだけ自分をミジメな気持ちにさせるとか。

まずは、それに気づくことで、そこから解放される。そう感じた。

 今という瞬間に、いだかれて生きている

The moment seizes us.

「Seize the moment.」は「今を生きる」で知られているけど、 「seize」には「つかむ」とか「つかまえる」という意味がある。

Seize the moment. → 今という瞬間をつかむ(今を生きる)
The moment seizes us. → 今という瞬間につかまれる

自分個人の解釈だけど、「The moment seizes us.」って聞いたとき、 片手でギュッとつかむ、というより、両手で包み込むようなイメージだった。

この2時間以上の映画を観ることは、ある意味、 1人の少年の6才から18才までの人生を早送りで観るわけで、 1つの映画の中に過去と未来が存在するわけだけど、 実際は、いつも「今」という瞬間しかないんだなって思った。

1秒、また1秒。1文字1文字パソコンに打っている、 今、この瞬間も、どんどん過去になっていく。そう考えると不思議。

過去を悔やんだり、未来の心配をすることに、 今の時間を使うんじゃなくて、できるだけ、今を生きることに、今の時間を使っていきたいな...。

タイミング

もう1つ、高校を卒業したメイソンに父親が言った言葉。

Bottom line is, it's all timing with these things.

最終的には、こういうのは、すべてタイミングなんだよ。 

人は、ものすごいスピードで変わっていくんだと、この映画を観ながら思った。 考え方も、好みも、何もかも。

学生時代は、知り合い程度だった人が、社会に出た後に会ってみると、すごく気が合うとか。 逆もしかり。みんなが、すごいスピードで変化していく中での出会いや別れや再会1つ1つも、 タイミングなんだなって。


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